私が初めて日展に出展し初入選した作品です。
雨上がりの翌日、水溜りにキラキラと木漏れ日が差し込んでいました。
光の先には何があるのか?
と光の方へ吸い込まれていくような表現を構成しました。
当時の私は教えていただいた指導者の影響で、日展へ出展し結果を出す事が1つの目標であり憧れでした。
作品を描く時に1番時間がかかるのは私の場合、描く題材を決める事と本紙に入るまでの取材です。
この作品は150号という大きなサイズだった為、約半年程かけて仕上げていきました。
今ではもう同じ景色は見る事が出来ない場所です。
毎日授業が始まる前の朝方に取材をして、初めに受けたインスピレーションと情景を忘れないように日々感じた事をメモしていました。
今日のコンデションや気持ちだったり、朝方の澄んだ空気や香り、虫のさえずりや朝練をしている学生の声だったり、肌で感じる気温…その時にしか感じれない自然が語りかけてくれる声を大切にしていました。
考えて描くのでは無く全身で感じたものに集中して作品と向き合った1枚です。